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~~SLIDESHOW~~
Google Chrome
since 2019-07-07
以下は「NVDAを用いたGoogle Chromeの基礎活用」講習会(2019年8月18日)に向けた資料です。
今後、この資料をもとに「NVDA 日本語版ガイドブック」に Chrome の解説を書き加える予定です。
Google Chrome を NVDA で使う
NVDA 2019.2jp と Chrome 76.0.3809.100 で確認しています。
Chrome のキーボード ショートカット (Windows)
NVDAチートシート
Chrome の概要
Google Chrome (グーグル・クローム)は Google が2008年に発表し、Windows, Mac, Android などに向けて無料で配布しているウェブブラウザです。
2012年ころから世界のブラウザ市場シェアで1位となっています。
また、Chrome とほぼ同等の機能を持つオープンソース版ブラウザ Chromium も存在し、さまざまなソフトウェア開発の基盤として使われています。
Chrome の概要
このブラウザだけを実行できる Chrome OS という OS もあります。ブラウザでクラウドサービスを利用することに特化した、低価格で管理しやすいコンピューターが登場し、企業や学校などに広まりつつあります。
これほど高いシェアと影響力を持つブラウザとなったため、Chrome 以外のブラウザに十分に対応していないサイトやサービスも増えています。
Microsoft は Windows 10 の標準ブラウザ Microsoft Edge で自社の独自技術を捨てて Chromium に移行すると発表し、すでに Chromium 技術で作られた Edge の開発バージョンが公開されています。
NVDAの設定
ブラウズモードの設定(NVDA+Ctrl+B)
- ページ読み込み時にブラウズモードを有効にする:「チェック」(既定値)
- ページ読み込み時に自動読み上げ:「チェックなし」に設定を変更
下記の説明はこの設定が前提です。
インストール
おすすめの手順
「Chrome をオフラインでインストールする」で検索して、オフラインインストーラーをダウンロードして、それを実行。
Chrome は一度インストールすると、その後は意識しなくても自動的に更新される
起動
無難な手順
- Windows キーを押す
- 上下の矢印キーで「すべてのプログラム」の中の Google Chrome を見つけて Enter
- Windows 10 の場合は G で始まるグループに入っている。下矢印を押して「すべてのアプリ リスト」になったら G を押して、グループの中で下矢印を押して探す。
環境によってインクリメンタル検索が使えない場合がある。
同期を有効にする設定
ここでは同期を有効にしない。 初めて起動したときには下記の表示
- 「Chromeへようこそ」
- 「Googleの最先端技術を活用したウェブブラウジング」
- 「同期してカスタマイズした Chrome をどのデバイスでも使用できます」
- ボタン「後で」
- ボタン「同期を有効にする」
「後で」を押すとそのまま Chrome を使える。 「同期を有効にする」を押すと、Google アカウントでログインする画面に移動
情報バー
既定のブラウザが Chrome でない場合は「情報バー」が表示される。
- 情報バー コンテナ グループ
- 情報バー アラート 「Google Chromeはデフォルトのブラウザとして設定されていません」
- デフォルトとして設定 ボタン
- 閉じる ボタン
デフォルト=既定の意味。
「閉じる」ボタンを押して情報バーを消してよい。スペースでボタンを押す。
Chrome の終了
Chrome アプリには一つまたは複数のウィンドウが含まれる。
ウィンドウには一つまたは複数のタブが含まれる。
- Alt+F4 で現在のウィンドウを閉じる。Chrome のウィンドウがひとつであればこれで Chrome の終了
- Ctrl+W で現在のタブを閉じる。ウィンドウにタブがひとつであればこれも Chrome の終了になる
- Chrome メニュー(あとで説明)にも「終了」がある。これをキーボードで呼び出すには Alt+F X
検索
- Ctrl+L または Alt+D でアドレス検索バー
- 入力済みのテキストは Delete で削除
- ここに www.nvda.jp とアドレスを入力する。Enter でそのアドレスを開く
- 「広島」のように検索キーワードを入力する。Enter で Google 検索の結果を開く
- 実行を Enter ではなく Alt+Enter にすると新しいタブで開く
検索結果を読むには
- 検索結果を表示した直後は「広島 Google検索 ドキュメント」「見出しレベル1 ユーザー補助のリンク」
- 下矢印キーを押すと「リンク メインコンテンツにスキップ」
- Enter を押すと「見出しレベル3 (1件目の検索結果のタイトル)」
- 上下矢印キーで前後の情報を読むことができる
- H と Shift+H で前後の見出しに移動できる
- 見出しレベル3 の各項目が検索結果に対応するので 3 と Shift+3 で前後の検索結果に移動
- リンクを Ctrl+Enter で開くと新しいタブに開く
タブ
- Ctrl+Tab で次のタブ
- Ctrl+1/2/3 などで左から1番目のタブ、2番目のタブ、3番目のタブ、などに移動
- リンク項目で Ctrl+Enter を押すと、リンクを新しいタブで開く
- F6 でタブコントロールにフォーカスを移動できるが、あまり出番がなさそう
ホーム画面
- Alt+Home でホーム画面に戻る
- 戻った直後はアドレス検索バーにフォーカスがある
- Tab で「ドキュメント」に移動。
- さらに上下矢印キーでホーム画面の各項目に移動
音声検索ボタン(紹介のみ)
- Chrome ブラウザで音声入力して、しゃべった言葉で Google 検索
- 「www.google.com が次の許可を求めています ツールチップ」
- これは「マイクを使用する」を許可するためのポップアップである
- Tab を押して「許可」に移動して Enter を押す
- もう一度「ボタン 音声検索」を探して押す
- 「待機しています お話しください」と読み上げられる
- 音声がききとれないと「聞き取れませんでした」と読み上げてホーム画面に戻る
- 聞き取った言葉で Google 検索を実行して、検索結果画面に切り替わる
- スクリーンリーダーの音声を聞いてしまうので、ヘッドフォンがよい
Chrome メニュー
- Alt キー単独押しでフォーカスするメニューバーはない
- Alt+F または Alt+E を押すと「Chrome メニュー」が開いて、下矢印キーで先頭項目にフォーカス移動
- F10 で「Chromeボタン サブメニュー Google Chrome の設定」にフォーカス移動。Enterで Chrome メニューが開く。 F10 を押すとメニューを閉じて、さらに F10 を押すとドキュメントに戻る。
- 設定の中にはほとんどアクセシビリティ関連項目がない。
Chromeメニューの項目
- 新しいタブ
- 新しいウィンドウ
- シークレットウィンドウを開く
- 履歴
- ダウンロード
- ブックマーク
- ズーム
- 印刷
Chromeメニューの項目 続き
- キャスト
- 検索
- そのほかのツール
- 編集:切り取り、コピー、貼り付け
- 設定
- ヘルプ
- 終了
メニューを開かなくてもショートカットで実行
- Ctrl+T 新しいタブ
- Ctrl+N 新しいウィンドウ
- Ctrl+J ダウンロード
- Ctrl+F 検索(現在のページ内の検索)
- Ctrl+X 切り取り
- Ctrl+C コピー
- Ctrl+V 貼り付け
ブックマーク
ブックマークの追加
- Ctrl+D で現在のウェブページをブックマークとして保存。ダイアログが開く
- Tab キーで「完了」ボタンに移動、Enter を押すと追加される
- このダイアログには「名前」「フォルダ」「その他」「完了」「削除」がある。
- 同期を有効にしていない場合は「同期を有効にする」ボタンも表示される
- このダイアログを読むには NVDA のオブジェクトナビゲーションで「親オブジェクトに移動」(ラップトップ配列で NVDA+Shift+上矢印)
- 「その他」ボタンを押すと「ブックマークを編集」ダイアログ
追加したブックマークを使う
- Chrome メニューから呼び出せる。Alt+F B で「ブックマーク サブメニュー」に移動。右矢印キーでサブメニューに入る
- 見つかる項目「このページをブックマークする」「ブックマークバーを表示」「ブックマークマネージャ」「ブックマークと設定をインポート」
- さらに下矢印で移動すると、ブックマークの名前が見つかるので Enter
ブックマークの削除
- Ctrl+Shift+O または Alt+F B B でブックマークマネージャ
- 最初は「ブックマークを検索 エディット」にフォーカス
- 下矢印を何回か押すと、追加されたブックマークの名前が見つかる
- さらに下矢印を押すと「(ブックマークの名前)メニューボタン サブメニュー (ブックマークの名前)に対するその他の操作」
- Enter を押すとメニューが開いて最初の項目「編集」が選択
- 下矢印を2回押して「メニュー項目 削除」に移動して Enter
- 「アラート (ブックマークの名前)が削除されました。元に戻すには Ctrl+Z を押します ボタン」
- アラートは消えるが Ctrl+Z で削除を取り消せる
ブックマークのフォルダ
- 初期状態では「ブックマークバー」フォルダに追加される
- このフォルダに登録したブックマークは F6 で「ブックマーク ツールバー」に移動して右矢印キーで選択することもできる
- 新しいフォルダを作ってそこにブックマークを登録することも可能
画像認識
Chrome に最近「画像認識」の機能が追加された。Google のクラウドサービスで画像認識を行っている。
Google アカウントでログインしなくてもよい。
画像認識
画像の中に文字が書かれているような JPEG ファイルを用意して、Chrome で開く。
Ctrl+O でファイルダイアログからファイルを選んで開く。
- ファイル名.jpg (画像サイズ)
- ラベルのない画像 クリック可能
- 画像の説明がない場合に取得するには、コンテクストメニューを開きます。
画像認識
アプリケーションキーまたは Shift+F10 を押す
- メニュー サブメニュー
下矢印キーで次の項目に移動
- Googleから画像の説明を取得 サブメニュー
右矢印キーを押すとサブメニューに以下の項目がある
- 常に使用
- 一回限り
ここでは「一回限り」に移動して Enter を押す。
画像認識
- Google から画像の説明を取得しますか?ダイアログ
- 画像に有効な説明が設定されていない場合に、Chrome で説明を自動的に生成できるよう Google に画像が送信されます。
- 有効にする ボタン
- いいえ ボタン
NVDA+Tab で「有効にする ボタン フォーカス」であれば、スペースでボタンを押す。
画像認識
- ファイル名.jpg 画像サイズ Google Chrome
- 画像 クリック可能
- 説明を取得しています
少し待ってから、上下の矢印キーで移動すると
- (画像に書かれている文字の1行目)
- (画像に書かれている文字の2行目)
- というテキストのようです
などの説明を聞くことができる。
ウェブページに含まれる「代替テキストのついていない画像」でも同様に使える。
YouTube
YouTube を使ってみようという実習。
まず YouTube サイトを開く。
- Chrome を起動し Ctrl+L youtube Enter で検索。1文字ナビゲーション 3 で検索結果の最初の項目に移動し、問題なければ Enter
- または Crtl+L www.youtube.com Enter でもよい
YouTube
公式の説明「スクリーン リーダーで YouTube を使用する」
YouTube のキーボード ショートカット
トップページ
- ブラウズモードで E を押して「検索 ランドマーク 検索 エディット 検索」に移動して、Enter でフォーカスモードに
- 課題例「インスト」「勉強用BGM」(ボーカルや音声のないコンテンツで練習する)
- Enter で実行
- なお、公式の説明では / を押すと「検索 エディット」に移動するが、これを使うためには前もってフォーカスモードに切り替えておく必要がある
YouTube 動画の検索結果
- 「検索フィルタ トグルボタン 押されていません」にフォーカスがある
- NVDA はまだフォーカスモードなので NVDA+スペース でブラウズモードに戻す(ポン)
- 1文字ナビゲーション 3 で見出しレベル3にジャンプ、または下矢印で移動して、再生したい項目で Enter
広告をスキップ
- プレイヤーのページで、ブラウズモードになっていたら、フォーカスモードに戻す
- Tab を押して「広告をスキップ」ボタンを探す
- スペース(またはEnter)で「広告をスキップ」を押す
- 補足:なぜか「広告をスキップ」ボタンはブラウズモードで探すことができない
YouTube プレーヤー
フォーカスモードで使えるショートカット
- j 巻き戻し10秒
- k 一時停止または再生
- l 早送り10秒
- 0 先頭に移動
- 1-9 再生位置の移動。1で10パーセントの位置に移動、9で90パーセントの位置に移動、など
シークバーにフォーカスがある場合
- 上または左矢印キー 巻き戻し
- 下または右矢印キー 早送り
シークバー以外にフォーカスがある場合
- 上矢印キー 音量を上げる
- 下矢印キー 音量を下げる
YouTube プレーヤー(ブラウズモード)
- スペース 現在の位置がボタンの場合はボタンを押す。現在の位置がシークバーの場合は一時停止または再生
YouTube 動画プレーヤーの主要なコントロール
- スライダー シークバー
- ボタン 一時停止(k)
- ボタン 次へ(SHIFT+n)
- ボタン ミュート(消音)(m)
- スライダー (パーセント値) 音量
YouTube 動画プレーヤーの主要なコントロール 続き
- クリック可能 (現在位置 / 全体の再生時間)
- メニューボタン サブメニュー 設定
- ボタン ミニプレーヤー(i)
- ボタン シアター モード(t)
- ボタン 全画面(f)
ブラウズモードで YouTube ショートカット操作
ブラウズモードのまま「ミュート」を実行できる
- NVDA+Shift+スペース を押して「英字キーを入力に使用」に切り替えて m を押す
- NVDA+F2 「次に押したキーを直接渡す」に続いて m を押す
ランドマーク
- この画面のランドマークは「検索」と「メイン(プレイヤー)」の2個だけ
- ブラウズモードで d を押してプレイヤーに移動できる。
ブラウズモードの練習
NVDAユーザーガイドを使ってブラウズモードの練習
- Chrome で NVDA ユーザーガイドを開きたいが、既定のブラウザが Chrome でない(かもしれない)場合
- Chrome 起動
- www.nvda.jp を開く
- ブラウズモードで 2 を何回か押して「説明」に移動、さらに 3 を何回か押して「ユーザーガイド」に移動、Enter で「ユーザーガイド」を開く
ブラウズモードの練習
- Chrome で NVDA ユーザーガイドを開きたいが、既定のブラウザが Chrome でない(かもしれない)場合で、さらにインターネット接続がない場合
- Chrome 起動
- Ctrl+O で Windows の「開く」ダイアログになる
- c:\ Enter
- フォルダリストにて順番に Program Files(x86) / NVDA / documentation / ja / userGuide.html を選択
ブラウズモードの練習
- NVDA+Space でブラウズモードに切り替える
- NVDA+P / NVDA+V などの環境の違いを確認
- 文字単位の移動、文字の確認
- 行単位の移動、行の確認
- H で見出しジャンプ
- T でテーブル
- テーブルの中の移動
- 要素リスト
ウェブ閲覧の操作(練習サイト)
拡張機能
詳しく紹介しないが、アクセシビリティに関連する Chrome の機能拡張の公式ドキュメント。
Chrome でユーザー補助の拡張機能を使用する
- ストアから拡張機能を追加するとキャレットブラウズが使える(が NVDA と併用する意味がない)
ダークモード
Windows 10 設定「色」で「既定のアプリモード」が「黒」の場合に、Chrome の画面表示の色が「ダークモード」になり、メニューなどが黒背景に白文字となる。