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2003年ごろ西本が radiofly.to/wiki に執筆していた記事を転載。
*ウェブ・アクセシビリティ ** 最新情報 -JIS素案研究会に行ってきました: --http://www.accessibility.org/workshops/200311-jis/ --頑張ってパブリックコメントを書いてみたいと思う ** 少し古い情報 -IBM東京基礎研究所、報道向けセミナーを開催~アクセシビリティなどへの取り組みを披露 FromImpressWatch --http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0805/ibm.htm -Web Content Accessibility Guidelines 2.0, W3C Working Draft 24 June 2003 --http://www.w3.org/TR/2003/WD-WCAG20-20030624/ -JIS素案「高齢者・障害者等配慮設計指針 - 情報通信機器・サービス -「Part1」と「Part2」の 公開レビュー --http://www.jsa.or.jp/domestic/instac/review2003/itbf_review.htm -富士通、視覚障害者の視点からホームページを診断するソフトを公開 --http://japan.internet.com/busnews/20030722/1.html --WebInspector 2.0 ダウンロードサイト ---http://design.fujitsu.com/jp/universal/webinspector/ -[[揺れる画像認証テスト:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030703-00000006-cnet-sci]] 2003-07-04 -- スパム封じの手段として「画像の中の文字を読ませる」方法が流行の兆し -- 視覚障害者が反発 -- ADA に抵触するという指摘も -[[村井純教授が福祉におけるITの役割について講演: http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2003/0616/ecare.htm]] FromInternetWatch 2003-06-18 -- 理想=「企業と大学が共同で研究し、直接末端の人たちに対して社会貢献する」 -- 現実はどうか? --- 企業は福祉技術の研究成果からいかに利益を得ればよいのか,見通しが持てない --- ユーザーはいわば「末端技術」から目先の利便を得ることを求めている --- 大学は「末端技術」では成果にならないので「先端研究」をユーザに押しつけたい -HP、視覚障害者に優しい? 富士通が判定ソフト開発 FromAsahiCom 2003-06-09 -[[総務省、Webアクセシビリティチェッカー「ウェブヘルパー1.0」を公開:http://www.jwas.gr.jp/helper/]] -- アプリケーションとしてダウンロード可能 2003-05-20 -- 単なるチェックツールではなく、情報源としても役立ちます。おすすめ。 2003-07-03 -日本信販、カードに点字刻印サービス開始へ FromYomiuriOnline --目の不自由な人でもクレジットカードを安心して使えるようにしていくとのこと。2003-05-16 -[[音声ブラウザーに対応した視覚障害者向け検索サイト: http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2003/0509/eye.htm]] (Internet Watch) --初心者や情報弱者にやさしい検索エンジンを目指している。2003-05-09 -[[NTTドコモ、障害者の方に対する割引サービス: http://www.nttdocomo.co.jp/new/contents/03/whatnew0508b.html]] --[[テレサポートNET:http://www5d.biglobe.ne.jp/~sptnet/]]のような実験活動が成長鈍化を救うのかも。2003-05-08 -[[東京大学、講義の字幕をネット経由でリアルタイム配信: http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2003/0507/jimaku.htm]] (Internet WATCH) --伊福部先生とBUGです。リスピーク使用。2003-05-07 -[[Webアクセシビリティ入門講座:http://www.consortium.or.jp/wa/]] --京都にて5月19日~6月末(昼/夜)。体験コースもあり。 --私がお手伝いしていた講座をもっと初心者向きにした内容。 -[[情報・通信・放送技術におけるユニバーサルデザインに関する国際ワークショップ: https://www.ics-inc.co.jp/woud/index.html]] --2003年6月7日(土)~6月8日(日)早稲田大学 -[[Webアクセシビリティ・シンポジウム: http://www.seyshell.suita.osaka.jp/seakansai/webaccessibility/symposium.html]] --2003年5月31日 (土曜日)神戸ファッションマート -[[共用品研究会・関西セミナー:http://www.sur.ne.jp/kyoyohin/]] --5月23日(金)大阪市立総合生涯学習センター -ZSPCさんのセミナー情報(2003-03-29) --http://c-place.ne.jp/0000engine/pec_engine.cgi?N=s030325191618 **背景 -[[ウェブ・アクセシビリティ:http://radiofly.to/webacc/index.html]] -[[CSUN2001:http://radiofly.to/nishi/csun2001/index.html]] -[[Emacspeak:http://radiofly.to/nishi/1998-emacspeak.html]] -否定的意見 --ウェブ・アクセシビリティとはなんなのか分かった。 だが、本音のところ、アクセシビリティはめんどくさい、手間や金がかかる。 誰の役に立つのか分からない。推進派の言うことは説教臭い。 -肯定的意見 --そもそもウェブのデザインは面倒なものだと思っていた。 だが、実は、ウェブは見栄えの良さや高度な技術を競うべきものではなくて、 ユニバーサルこそが「強さ」「美しさ」なのだと気づいた。 そして、ユニバーサルなデザインは、パターンを覚えてしまえば、 面倒な画像ファイルをたくさん組み合わせるよりもずっと簡単で効率的なのだ。 ***評価 -アクセシビリティ評価基準案の検討 ***文献 -神崎正英: ユニバーサルHTML/XHTML, 毎日コミュニケーションズ, 2000. -M. G. Paciello (ソシオメディア監訳): ウェブ・アクセシビリティ -- すべての人に優しいウェブ・デザイン, アスキー, 2002. -ヤコブ・ニールセン: ウェブ・ユーザビリティ, エムディエヌ, 2000. ***サイト -http://www.kanzaki.com/ -http://www.zspc.com/ **ユニバーサルな情報発信 -Opera 7.0の使い方 --「作成者モード」ボタンを押して「ユーザモード」にする --Emulate text browser --High contrast (W/B) --Hide non-linking images --Disable tables --Show structural elements **認知科学 -「わかりやすさ」の裏付け・科学的根拠 -ヒューマン・インタフェース -ヒューメイン(人間中心の)インタフェース **応用研究 -[[ウチコミくん:http://radiofly.to/nishi/ukk/index.shtml]] -[[インターネットラジオ:http://radiofly.to/radiobuilder/]] -VoiceXML -VoiceCafe (AVM) -SmartDoc と RadioDoc **標準化 -音声インタフェース設計ガイドラインの検討
2003年ごろ西本が radiofly.to/wiki に執筆していた記事を転載。
*情報バリアフリーJIS素案公開レビューに対するコメント -送付日:2003-11-23 -更新日:2003-11-25 1.氏名 西本 卓也 2.職業(会社名又は所属団体等) 東京大学大学院情報理工学系研究科(助手) 3.住所(勤務先) 〒113-8656 東京都文京区本郷 7-3-1 (工学部計数工学科 6号館138室) 4.電話・FAX(勤務先) 03-5841-6902 高齢者・障害者等配慮設計指針-情報通信における機器・ソフトウェア・サービス 第三部:ウェブコンテンツの素案 (以下「本素案」)についての私の意見を, 以下に述べさせていただきます。 なお,本意見は,ITRCおよびNAPの主催で行われた 「Webアクセシビリティに関するJIS素案研究会」(2003年11月9日) での議論に基づいています。 また,私が参加した京都高度情報化推進協議会 「みんなにやさしいIT推進部会」における活動や, 大学コンソーシアム京都の主催で行われた 「使ってもらえるWebへ 企業活動とアクセシビリティ」(2003年11月21日) における私の講演および参加者との議論も反映しています。 また,本意見は,2003年7月に公開された 「共通指針(Part1)=セクターガイド」「情報通信機器(Part2)」 の両素案の内容に基づくものです。 これらの素案の内容がパブリックコメント終了後に大幅に変更されている場合には, 以降の指摘は当てはまらない可能性があります。 補足: 本WIKIに掲載中の文書は, パブリックコメントとして提出後, 表現の誤りなどを直すために継続的に改定作業を続けています。 最終的には,独自の「JIS準拠ガイドライン」として あらためて公開する予定です。 *関連URL -http://www.jsa.or.jp/domestic/instac/review2003/Web/itbf_web.html -http://www.accessibility.org/workshops/200311-jis/ *提案1:一般的原則に関する修正 本素案は「JIS Z 8071=ガイド71」および「セクターガイド」の下位に位置づけられる。 階層的なガイドラインによってウェブコンテンツの要件を明確化することは, 有効性が高く普遍的な規格を作るうえで画期的な試みであり, 本素案の意義と目標を高く評価したい。 しかし,本素案の具体的な内容はW3CのWCAGに近いものでしかなく, 特にセクターガイドの特長(と理解している),つまり, -一時的に行動が制限されている状態,も含めて保障対象を「状態」で定義する -個々の機能の保障でなく,利用者が意図した「タスク」を実現できることを保障する の二点が,本素案に(3章を除いて)十分に反映されていない。 また,5:一般的原則は6:個別要件の内容を網羅しているべきであるが, それが不明確である。 *提案1に関する修正案(5章全体) **5.一般的原則 ウェブコンテンツのアクセシビリティを確保・向上するために, すべてのウェブコンテンツは本章に挙げる一般的原則を守らなくてはならない。 **5.1 基本方針 a) ウェブコンテンツを企画・製作する際に, 可能な限り多くの高齢者・障害者および一時的に行動が制限されている状態のユーザが, 適切な支援技術が利用可能である場合に それらを活用することによって, 介助者なしに以下のタスクを行えなくてはならない。 ア) 必要なコンテンツがどのページに存在するかを知り,そのページに移動できる イ) 必要なコンテンツがページ内のどこにあるかを知り,その箇所に移動できる ウ) 必要なウェブコンテンツを操作・利用できる b) ウェブコンテンツの企画・製作においては, 情報・サービスの構成を分かりやすくし,情報の意味的構造に基づいて, 識別しやすい表現によって記述しなければならない。 c) ウェブコンテンツの作成においては, その時点において広く普及しているウェブコンテンツに関する規格や仕様の中で, 最新のものを適切に使用しなければならない。 d) ウェブコンテンツの製作においてアクセシビリティの確保が困難となる 特別な理由がある場合は,電子メールなど他の手段を併用し, ウェブコンテンツの運用を通じてタスクの達成を支援しなければならない。 さらに,ウェブコンテンツの企画から運用に至るプロセスにおいて, アクセシビリティ支援技術およびウェブコンテンツ作成技術の 進歩と普及状況を考慮しつつ, アクセシビリティをつねに確保し,持続的に向上させなければならない。 **5.2 基本的要件 ウェブコンテンツのアクセシビリティを確保・向上させるための基本的要件は, 以下の通りである。 a)ウェブコンテンツのアクセシビリティの企画・開発においては, さまざまな心身特性を持つユーザが自分に適したものを選択できるよう, 多様なユーザインタフェースを可能な限り実現できるように配慮しなくてはならない。 b)ウェブコンテンツは, 以下に挙げた状態にあるユーザが,介助者なしに 5.1 a) の各タスクを 達成できるものでなくてはならない。 1) 視覚による情報入手が不自由な状態 ア) 視力がまったくない状態 例:テキスト音声合成や点字ディスプレイのみで情報を得ている状態 イ) 視力が低い,または視野が狭い状態 例:文字を拡大表示している状態 低解像度の画面を利用している状態 ウ) 色の識別が難しい,またはできない状態 例:色覚に異常がある状態 モノクロディスプレイを利用している状態 2) 聴覚による情報入手が不自由な状態 ア)聴力がまったくない状態 イ)聴力が低い状態 3) 特殊な入力方法しか利用できない状態 ア) 片手しか利用できない状態 イ) 手,足,指,または義肢などの限定された動きしか利用できない状態 ウ) 視覚に依存した入力手段が利用できない状態 例:マウスが利用できない状態 エ)視覚と聴覚が共に利用できない状態 例:点字ディスプレイとキーボード入力のみを利用する状態 オ)情報を得るために印刷して閲覧している状態 4)ブラウザの一部の機能が利用できない状態 ア)コンテンツ中の画像を表示できない状態 イ)スクリプトなどによるコンテンツの動的変更の機能が利用できない状態 c)ウェブコンテンツを操作・利用することによって, ユーザの身体の安全を害するおそれがあってはならない。 **5.3 推奨要件 ウェブコンテンツのアクセシビリティを確保・向上させるための推奨要件は, 以下の通りである。 a)認知機能や身体機能への過度な負担をかけずに, ウェブコンテンツを操作・利用できるよう配慮することが望ましい。 b)ウェブコンテンツは,利用できる情報通信機器や,利用環境を限定せずに, できるだけ多くの情報通信機器,表示装置の画面解像度とサイズ, ウェブブラウザとバージョンで操作・利用できることが望ましい。 c)ウェブコンテンツにおいて,ユーザのエラーを最小限に防ぎ, エラーから適切に回復するための手段を提供することが望ましい。 d)情報通信機器やウェブブラウザ,アクセシビリティ支援技術の 利用・操作に不慣れなユーザでも, ウェブコンテンツを操作・利用できるよう配慮することが望ましい。 *提案2:具体的な問題や支援技術の説明の追加 本素案の読み手が具体的に配慮すべき問題や支援技術の説明を充実させたい。 一方で,本文中からは,特定の技術をさす具体的な名前を排除するべきである。 以下の修正案は, ITRC・NAPの研究会(上述)において私が発言した意見と, 研究会後に私が気づいた点を中心に指摘しており, 指摘しなかった項目に問題がないと考えているわけではない。 *提案2に関する修正案 **6.1 a)について: 参考:(追加) XMLおよびその派生技術であるHTMLは, 要素が適切な入れ子構造に従っていれば, さまざまなブラウザが利用可能な情報だけを解釈し, 不要な情報を無視することができる。 現在利用可能なウェブブラウザには,入れ子構造の誤りなど, 不適切に記述されたHTMLを,開発者の意図どおりに表示するものがあるが, このような状態のHTMLは未知のブラウザや支援技術に対応できない可能性がある。 例:(追加) ブラウザで正しく表示ができることを確認するだけでなく, HTMLの文法チェックツールを利用し, 文法・技術の規格や仕様に準拠していることを確認する。 **6.1 b)について: 例:(追加) ウェブコンテンツが提供する情報・サービスの一部が 特定のアプリケーションの文書ファイルである場合や, レイアウトを決めて表示・印刷されることを前提とした汎用文書ファイルである場合は, その文書ファイルを閲覧するアプリケーションにおける アクセシビリティ支援機能を適切に用いる。 または,代替手段を用意する。 **6.2 a)について: コンテンツは情報の意味的構造を表す適切な技術を用いて記述しなくてはならない。 参考: 音声出力や点字ディスプレイを対象としたウェブブラウザにおいては, ページ内の閲覧位置を移動するための機能として, 見出し要素を単位として前後にジャンプする機能を有するものがある。 例:(追加) 箇条書きで表現可能な情報は,箇条書きのための要素を用いて記述する。 **6.2 b)について: コンテンツの記述においては,特定の出力手段における表現属性を, 操作・利用の対象となる情報・サービス自身と分離するための, 適切な技術を用いなくてはならない。 参考: テキスト情報によって情報・サービスを記述することは, ウェブコンテンツを多くの出力手段に対応するために重要である。 また,カスケーディング・スタイルシートを適切に用いることで, 利用者が自分に適した環境でコンテンツを利用できる。 参考: 文字やレイアウトの指定に適切な技術が利用されているウェブコンテンツは, ブラウザの標準的な機能によって,適切に拡大表示することが可能である。 例: 情報・サービスの内容をHTMLで記述し, カスケーディング・スタイルシートによって画面表示における 書体・サイズ,色,行間,背景色などの指定を記述する。 **6.2 c)について: 表組みの機能をレイアウトのために使用する場合には, ページ内での位置移動が容易になるように配慮しなくてはならない。 参考: 音声ブラウザや点字ブラウザにおいては, ページの内容をソースの出現順に1次元的に表現するため, テーブルの下や右にある情報を読むために多くの移動操作が必要となる。 例: 音声ブラウザや点字ブラウザの利用者に対して, ページ先頭に「本文にジャンプ」のリンクを用意する。 例: 見出し要素を適切に利用し,簡単にページ内の位置移動を行えるようにする。 **6.3 g)について: 操作の対象となるボタンやリンクなどに関連付けられるテキスト情報は, 識別しやすいように作成・選択されることが望ましい。 参考:(追加) 音声出力や点字ディスプレイを対象としたウェブブラウザにおいては, ページ内の閲覧位置を移動するための機能として, リンクが付与された文字列を単位として前後にジャンプする 機能を有するものがある。 このような機能を利用する場合に, -XXXに関する情報は「こちら」 の「こちら」のみをリンク対象にすることは操作性を損ねる。 **6.9 d)について: 表現のための文字は,出力に読み付与などの自然言語処理を要する環境での利用を考慮し, それぞれの文字の持つ論理的な意味を踏まえて適切に利用する。 参考: 表現のために単語の途中にスペースや改行を入れると, 見た目には1単語だと理解できるが, 音声ブラウザや点字ブラウザにおいては,単語として認識できず, 正しい読みを付与できない。 例:(正しい例)←(不適切な例) 経済 ← 経 済 お知らせ ← お*知*ら*せ パーティ ← パ~ティ パ-ティ(2文字目が「から」「ハイフン」) 1234 ← l234(先頭が小文字のL) 3000 ← 3OOO(ゼロとオー) (以上)
2003年ごろ西本が radiofly.to/wiki に執筆していた記事を転載。
*Webアクセシビリティの最新動向 -2003年11月 -西本 卓也 (東京大学 助手) *参考文献 -日経事業出版社:日経UD 2002年版 (2001) -http://www.jsa.or.jp/domestic/instac/review2003/Web/itbf_web.html -http://www.accessibility.org/workshops/200311-jis/ *アメリカにおけるバリアフリー -第2次世界大戦後 -傷痍軍人の社会復帰を促進するリハビリなど --建物へのアクセスを保障させる運動 -1961 年 最初のアクセス基準 -1968 年 建設障壁法 --連邦政府における雇用差別の禁止 -1973 年 リハビリテーション法 --雇用・公共施設・交通・通信の差別禁止 -1990 年 障害を持つアメリカ人法(ADA) *通信アクセスの保障 -補聴器と電話の互換 -1988年 補聴器互換性法 --障害者が通信機器を使うことを保障 -1998 年 通信法255 条 --連邦政府のIT 機器調達における規制 -1998 年 リハビリテーション法508 条の改正 --連邦政府がIT 関係の機器やサービスを調達するにあたり、 障害を持つ人のアクセスを保障したもののみを購入する義務 *障害者の増加 -医療の発達と高齢化 -米国では85歳以上の高齢者が400万人 --多くは何らかの障害者 -障害者の自立生活運動 -1960 年代からの地域運動 -なるべく他人に依存しなくてもすむ商品の需要 -障害者から税金を取れる社会を目指す *福祉機器からUDへ -ユニバーサル・デザイン(UD) -より多くの人が使えるもの -「多くの人」の中に障害を持つ人が含まれるように -福祉機器ではなぜいけない? --利用者が歓迎しない 心理的な抵抗 --コストが高い -例:聴覚障害者のための字幕機能 --義務化前:300 ドル --内蔵を義務化:25 セントのコスト *リハビリテーション法508条の歴史 -1973年 リハビリテーション法成立 -1986年 508条制定 --連邦政府職員のための事務機器ガイドライン -1992 年改正 --電子機器から電子・情報技術に変更 -1998 年改正 --罰則を含めた強制力 --アクセシビリティ基準の公示:2000 年12 月21 日 --施行:2001 年6 月21 日 *508条の影響力 -電子機器・情報端末・ソフトウェア(E&IT)企業 -連邦政府・州政府を重要な顧客 -政府に売れない商品やサービスは生き残れない --政府の調達担当者が障害者であることも多い -基準の実際例 --ユーザが音量調節をできるか --車いすに乗ったまま表示を読むことができるか -508 条を遵守したウェブの作成も --http://www.section508.gov *日本の動向 -障害を持つ人の進学や就職の機会平等の遅れ -輸出メーカーは海外向けの基準(外圧) -ダブルスタンダードは大変 -この機会にユニバーサル・デザインを --情報機器メーカーによるアクセシビリティ指針 -日本政府も指針を策定 --e-Japan で考慮を明言した --総務省/厚生労働省/経済産業省 → JIS 化 *JIS化の意味 -政府調達においては遵守義務 --法律ではないが・・・ -技術に詳しくない人にも手段として使える --官公庁の調達担当者,経営者,営業担当者 --この規格を満たすように開発してほしい,と言える -グループ規格 --3 階層で構成 *第1階層=JIS Z 8071 -日本からの提案による国際規格 -ISOガイド71を再度日本語化 -規格を作る人のための規格 -人道的基盤と経済的基盤 -実現可能な範囲で --非常に重度の人?? --多数の軽度の人に対応:市場の拡大を促す *第2階層=共通指針(素案Part1) -情報通信機器・サービスに関する共通指針 -2003年7月に素案公開 -未知の分野に関する指針 --個別指針は第3 階層で --情報通信機器 Part2 -Web コンテンツ Part3 *情報バリアフリー設計共通指針 -(財)日本規格協会 --情報技術標準化研究センター --主に高齢者・障害者及び一時的な障害がある人が情報通信機器・ サービスを使用する際のアクセシビリティを向上させるための設計指針 *活動体制 -経済産業省と日本規格協会からの委託 -総務省の支援 -業界団体からの委員 --電子情報技術産業協会(JEITA) --情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ) --ビジネス機器・情報システム産業協会 -各省庁・業界団体の規格をJISとして統合 *対象=状態 -高齢者や障害者=状態ではなく人の属性 --XX歳以上の人? --役所が認定した障害者? -一時的に行動が制限されている状態 --眼鏡をなくした時 --手や足を骨折した時 --ベビーカーや重いものを持って移動する時 -アクセシビリティ=状態に対しても保障すべき *タスクの保障 -従来=機能 --ある文字が読みとれる,あるボタンが押せる --単に代替手段を求めるだけ --視覚が使えなくても聴覚で・・ -タスクの例=お金を降ろす --車椅子で使える銀行ATM それだけ? --そのATM に入るために段差がないことも必要 *トータル・バリアフリーの思想 -利用者が意図したタスクを達成できること --カバーなどを片手で簡単に開けられる --周辺機器を簡単に接続できる --操作前後の準備作業・終了作業の容易さ --マニュアルやサポートのアクセシビリティ *第3階層=素案Part2 情報通信機器 -ベース=通産省告示362 -障害者・高齢者等情報処理機器アクセシビリティ指針 -情報処理機器 --パソコン --周辺機器 -情報通信機器 --携帯電話 --携帯端末 -ソフトウェア面も対象 -Part1 と同時に公開 *情報通信機器素案 -原則 -一般的ガイドライン -人間に対する要件,技術に対する要件・・・ -システム -出力,入力・・ -製品説明情報 -サポート *第3階層=素案Part3 Webコンテンツ -2003年10月に素案公開 -パブリックコメント募集は11月24日に締切 -本年度末に完成予定 -整合性 --上位指針との整合 --W3C WCAG1.0/2.0 --総務省・行政管理局 ---スムーズな移行を期待 *WebJIS素案の適用範囲 -ウェブブラウザでアクセスされる情報・サービス --イントラネット --CD-ROM コンテンツ --ブラウザを用いて操作する機器 --i モード,L モード,PDA も *ITRC/NAPの研究会 -事前のMLでの議論 -2003年11月9日に開催 -みんながパブリックコメントを書くために -策定経緯,策定方針 --使いやすさ(具体的に) --抽象度(未知の技術にも適用できるように) ---特定のバージョンのブラウザに依存しない ---特定のバージョンのHTML に依存しない *ブラウザと支援技術の切り口 -ブラウザ=正式にはユーザエージェント(UA) -現状 --UAが未熟なのでコンテンツが解決していることも --なんでもコンテンツに押し付けるのは困る -正しい切り口 --本来コンテンツが解決すべきこと=WebJIS --本来UA が解決すべきこと= UA のJIS も必要? *製作プロセスの重要性 -情報の意味的構造 --「部/章/節」のような構造化→見出し要素 -企画と保守における考慮 --データベースとの連携時にalt も -フィードバックとサポート --そのサイトのアクセシビリティの説明 --代替手段としてのウェブマスター宛メール対応 *WebJISへの期待 -政府の努力義務 -ADAのような法律への発展 -啓蒙活動 -JISを守るべきである,という世論形成 -(有)ユニバーサルワークスによる調査 --http://www.u-works.co.jp/ --50 項目のチェックリスト --音声化対応,操作性,可読性,レイアウト,汎用性 *音声UAの進化 -現状=我慢して使う音声ブラウザ -アクセシビリティ=操作可能 -ユーザビリティ=使いやすい -期待 --新しいHTML 技術への対応 --音声合成技術の改良 --音声対話ブラウザへの発展 *障害者支援と学術研究 -障害者支援の機器を作る --広く役立つ応用技術へ -障害者のためになされた努力→大きな産業へ --例えば電話 -障害者が求めているものを知る --認知科学=基礎研究へ --視覚・聴覚・記憶・判断などの仕組みの解明 --新たな応用研究のための基礎になる *コンテンツに関する研究(1) -視覚障害者の利用を考慮した指針の例 -選択情報の質 --選択肢が次のページ内容を判断しやすい -階層構造 --選択肢の数が5つ以下 -期待される効果 --操作や思考に必要な時間を短くできる -新潟大/自立生活支援センター新潟 -青柳 他:視覚障害者の利用を考慮したWeb サイトのアクセシビリティ評価, 信学技報 WIT-2002-50, pp.9-14, 2002-10 *コンテンツに関する研究(2) -従来 --単なるタグや属性の解析 -提案手法 --弱視・色覚異常・高齢者の見え方をシミュレーション --見づらい部分を検出する -日本IBM -前田 他:表示ベースでウェブページのアクセシビリティを評価するシステム,信学技報 WIT2003-23, pp.47-52, 2003-10. *高い技術と正しい思想 -石川准教授(静岡県立大学) -http://fuji.u-shizuoka-ken.ac.jp/~ishikawa/index.html -配慮の不平等 --「配慮が不要な人」と「配慮が必要な人」が存在 -配慮の平等 --「すでに配慮されている」「まだ配慮されていない」 -配慮は「不要」ではなく「平等」に行われるべき --障害学会 -http://www.jsds.org/